鈴木之恵は布団を丸めて抱きしめ、藤田深志側のものまで引っ張ってきた。
しばらく彼の言葉を聞かず、彼も後ろから抱きしめてこなかった。
鈴木之恵は肘で軽く突いた。
「深志、どうして話さないの?」
振り向くと、藤田深志はまっすぐに横たわっており、全くリラックスした様子ではなかった。
「深志?」
鈴木之恵はもう一度呼びかけ、尋ねた。
「どうして抱きしめてくれないの?」
藤田深志は少し近づいたが、彼女の体に触れず、数センチの隙間を空けて、一方の手を彼女の腰に置いた。
「之恵、寝よう。少し疲れてるんだ」
鈴木之恵はうんと答え、布団を彼の方に半分引っ張った。
「わかった」
彼女が知らなかったのは、藤田深志が彼女の腰に置いた手が、強く拳を握りしめていたことだった。
彼はもう自制できなくなりそうだった。
ようやく一方から規則正しい呼吸が聞こえると、藤田深志は布団をめくり、静かに床に降り、裸足で部屋を出た。
寝室を出ると、彼はほっとした。
今や、彼は制御できないほど全身が震え、目の前がぼやけ、物が二重に見えた。彼は腕を上げて強く噛みつき、痛みで浮かび上がる魂を引き戻し、手すりにつかまりながらよろめきながら階下へ降りた。
四肢は力なく、心の奥底の渇望が彼の強い意志を飲み込もうとしていた。
彼は発散する必要があったが、体内の獣を解き放つ出口が見つからなかった。
また発作が起きたのだ。
藤田深志は手探りで書斎に向かった。この瞬間、彼は人生に希望を見出せなかった。この先何度も発作が起き、いったい何回耐えれば完全に克服できるのか。
彼は自分がいつかあの物に手を出してしまうのではないかと本当に恐れていた。
そうなれば、自分自身を許せないし、之恵も、二人の可愛い子供たちも許してくれないだろう。
それは彼の人生の汚点となり、子供たちの汚点にもなる。
誰も薬物中毒の父親など望まない。
でも本当に乗り越えられるのだろうか?
彼は苦しみのあまり、自分自身を強く抱きしめて床に丸くなった。しかしそれではさらに苦しくなると感じ、どうすれば和らげられるのか分からなかった。
彼はテーブルの角を抱えて、一度、二度と額をぶつけた。今、自分を目覚めさせる唯一の方法は痛みだった。
……
主寝室で、鈴木之恵はまったく眠れていなかった。