第40章 結城暁、痛打される

「覚えてる」結城暁は頷きながら言った。「ちょっと待っていて。用事があるから」

そう言うと、彼は背を向けて立ち去った。

南雲泉は彼の背中が遠ざかっていくのを見つめていた。彼が何をしようとしているのかは分からなかったが、少し待っていてと言ったということは、きっとすぐに戻ってくるはずだ。

そうであれば、待っていればいい。

どうせ二人の約束は午後二時だ。

まだ時間には余裕がある。

結城暁はほとんど小走りで結城お爺様の部屋に向かった。

彼が到着したとき、結城お爺様は木製の寝椅子で目を閉じて休んでおり、部屋には香が焚かれ、瀬戸野が傍らで仕えていた。

「お爺様」

彼が声をかけると、結城お爺様は予想通り目を開けて彼を見た。

「来たか、座りなさい」

結城お爺様の言葉が終わるや否や、突然、結城暁は彼の前に跪いた。