第41章 一目惚れで彼に恋をした

「おじいちゃん、彼は血をたくさん流しています。きっとすごく痛いはずです」

「お願いだから、もう叩かないで」

南雲泉を見て、老人は結局心が和らいだ。

杖を下ろし、深いため息をついた。「すぐに彼を連れて行け。もう二度と会いたくない」

「はい、おじいちゃん」

南雲泉はすぐに頷き、そばにいる人に向かって言った。「瀬戸野さん、手伝ってください」

五分後、南雲泉と瀬戸野は結城暁を支えて部屋に戻った。

「痛いでしょう?」

南雲泉の声は震えていた。

あれだけ血を流したのだから、痛くないはずがない。

「ちょっと我慢してください。すぐに...すぐに傷の手当てをします」

南雲泉は急いで救急箱を探しに行った。

焦りすぎて、何カ所も探してようやく救急箱を見つけた。

救急箱を開けるときも、手が震えて慌てふためいていた。