結城暁は南雲泉を部屋の入り口まで連れて行き、振り向いて言った。「目を閉じて、手を私に預けて」
「そんなに神秘的なの?」
南雲泉はそう言って、自分の手を差し出し、結城暁の手のひらに優しく置いた。
彼女の手は小さくて柔らかく、白くて滑らかで、結城暁の大きな手の中に置かれると、その対比が際立った。
彼女の柔らかさと可愛らしさがより一層引き立てられた。
結城暁は手を握り、大きな手のひらで彼女の小さな手をほぼ完全に包み込んだ。
「準備はいい?」
彼にそう聞かれ、南雲泉は少し緊張を感じながらも、同時に小さな期待も芽生えた。
「うん、準備できた」南雲泉は頷いた。
「じゃあ、目を閉じて」
「はい」
そう言って、南雲泉は静かに両目を閉じた。
彼女の長い睫毛は小さな扇子のようにパチパチと揺れ、とても可愛らしかった。