その名前が再び耳元ではっきりと響いた時、南雲泉の胸の中で暖かい流れが激しく渦巻いた。
この数年間、「結城奥様」という一言を待つために、彼女は本当に多くを犠牲にしてきた。
もう二度とチャンスはないと絶望していた時、彼は最高の答えを彼女に与えてくれた。
「好きだよ、とても好きだ」
南雲泉は頷きながら、固い視線で結城暁を見つめた。
「ありがとう、結城暁さん。あなたからのプレゼントをありがとう」
結城暁は眉をひそめ、少し不機嫌そうに「結城暁さん、って?」
「暁さん」南雲泉は呼び方を変えた。
結城暁「……」
まだ顔をしかめたまま、あまり嬉しそうではない。
南雲泉は実は彼が聞きたい呼び方が分かっていたが、本当に呼び出せなかった。
二人が結婚してこれほど長い間、彼女は最初からそう呼びたいと期待していたが、ずっと恥ずかしくて、一度も呼べなかった。