第159章 2人が同時に南雲泉を救いに来る

「泉!」

声を上げると、瀬戸奏太はすぐに走り寄った。

柏木朋也も急いで追いかけた。

誰かが来たのを見て、周りの数人の男たちは一瞬警戒したが、それでも傲慢な態度で言った。「お前ら誰だ?余計な事に首を突っ込むなよ。ヒーロー気取りは止めとけ」

「柏木」奏太が声をかけ、目配せをした。意図は明確だった。

「はい、ボス。お任せください」

数分もしないうちに、男たちは全員地面に転がっていた。

恐怖で、泉はまだ先ほどの場所に縮こまっていた。自分を抱きしめ、まるで哀れで無力な小さな白うさぎのように見え、見る者の心を痛ませた。

瀬戸奏太が彼女を見た時、胸が突き刺されたように痛んだ。

彼女は目を赤くし、小さく丸まって自分を抱きしめ、全身が震えていた。

瀬戸奏太は近寄り、彼女を立たせようと手を伸ばした。