第165章 命取りの優しさ

三分後。

南雲泉がドアを開けると、結城暁が外に立っているのを見て、少し意外に思った。

「どうしてここに?」

「足首を捻ったって聞いたから」と結城暁は言った。

彼女が瀬戸奏太と一緒にいるのを見て、最初は腹が立っていた。

しかし、彼女が怪我をして足首を捻ったと聞いた途端、怒りが消え去った。

ただ早く彼女に会って、怪我の具合を確認したかった。

突然、南雲泉の体が宙に浮き、次の瞬間には結城暁に抱き上げられていた。

彼は彼女を抱えたまま、まっすぐソファーへ向かい、そこに彼女を下ろした。

その瞬間、南雲泉は彼が自分の家以上に慣れているように感じた。

そして彼が突然このように優しく気遣ってくれることに、本当に驚きを感じた。

「どこを怪我したの?見せて」

結城暁はしゃがみ込んで、直接彼女の靴を脱がせようと手を伸ばした。