第177章 泉よ、私もあなたが好きだ1

その言葉を聞いて、結城暁はその場で凍りついたように立ち尽くした。まるで石像のようだった。

今、何を聞いたのだろう?

彼女が自分のことを好きだと?

つまり、彼女が好きな人は自分だったのか?

でも、そんなことがあり得るのだろうか?

自分の耳で聞かなければ、とても信じられなかっただろう。

「泉……」結城暁は顔を下げ、優しく、興奮した様子で彼女の名前を呼んだ。

その瞬間、心臓が体から飛び出しそうなほど、言葉では表現できないほど興奮していた。

「聞き間違いじゃない?本当に僕のことが好きなの?」彼は優しく南雲泉の頬を伝う涙を拭いながら、忍耐強く尋ねた。

南雲泉は顔を上げ、涙で潤んだ瞳で彼を見つめた。まだ言葉を発する前に、涙が真珠のように次々と零れ落ちた。

「泣かないで」

「泉、泣かないで」