南雲泉の小さな顔が一瞬で赤くなった。
浴室は湯気が立ち込めており、空気の温度も高く、さらに体内にはアルコールの影響もあった。
結城暁にそのように誘われ、南雲泉の顔は水が滴るほど真っ赤になった。
彼女は認めた。彼のことが好きだと。
彼と幸せで、甘く、楽しいことをしたいとも思っていた。
でも、まだそんなに急ぎたくなかった。
お互いの気持ちを打ち明けたばかりで、告白もしたばかり。二人とも結婚経験があり、親密な関係も経験していたけれど。
でも、結婚していた時と今とは違う。
あの時の同衾は義務を果たすような感覚があったから、期待を持つことができなかった。
でも今は、これが愛情だけに関係することを望んでいた。希望を持ち、期待も抱いていた。
すべてが素晴らしく、自然な流れであってほしかった。慌ただしく、急いだものではなく。