第22章 男は清純な女の子が好き

詩織は言った。「あなたが彼を追い詰めないと、彼はあなたが離婚を躊躇っていると思うわ」

詩織は言った。「このカードには五百万円入っているわ。あなたが戻ってきたばかりでお金が必要でしょう。私の気持ちだと思って。伊藤社長のことは、あなたが気に入らないのは分かっているわ。あなたに不利なニュースも、私が何とかするから」

高橋真子はこんな展開になるとは思っていなかった。

彼女はレストランを出ると、携帯を取り出して藤原月に電話をかけた。

相手はかなり遅くなってから電話に出て、声も嗄れていた。「もしもし?」

「離婚しましょう!」

「……」

向こうからの返事はなく、すぐに切れた。

高橋真子は胸が詰まる思いで、風の中にしばらく立っていた後、テレビ局に戻った。

夜、仕事が終わる時間になると、あの送迎車がまた来た。