「私はあなたのものになれたはず。藤原月、あなただけのものに。でも、その時私を拒んだのに、今さら何を言うの?このバカ!」
どれくらい時間が経ったのか分からないうちに、彼はキスをしながらまた暴走しそうになった。高橋真子は彼が服を脱ごうと体を起こした隙に、枕を取って彼に向かって何度も投げつけた。
藤原月は突然ベッドに伏せ、頭を抱えて動かなくなった。
高橋真子は彼の様子を見て、思わず枕を彼に投げつけ、すぐに逃げ出した。
藤原月はようやく頭を上げ、彼女の綺麗な足が床を踏んで、素早く寝室から出て行くのを見た。
彼女は不満なのか?
藤原月はベッドに横たわり、ぼんやりと一点を見つめた。
長すぎた。彼女がかつてどれほど甘えん坊なお姫様だったか、忘れかけていた。
外からはまだ物音が聞こえてきて、彼は思わずため息をついた。
高橋真子は外に出てから、自分がキャミソールのパジャマ姿で、長いローブも着ていないことに気づいた。携帯電話もベッドに置いたまま。彼がまた勝手に携帯を見たらどうしよう?
携帯の中に大したものは入っていないけれど、彼が堂々と自分の携帯を見ることを考えるだけで腹が立った。
まだ自分を昔のように夢中にさせられる人だと思っているの?
藤原月は出てきて、ドアの前で不機嫌そうに立っている彼女を見て、携帯を渡した。
高橋真子は自分の携帯を見るなり、すぐに奪い取った。
藤原月は二歩前に出て、彼女の背後からナイトガウンを掛け、しっかりと包み込んだ。
高橋真子は足を止め、自分のナイトガウンと彼の手を見て、胸が熱くなった。
「さっきのは普通の反応だよ。僕のせいじゃない」
「……」
高橋真子は思わず彼を見た。まだ言い訳をするの?
「できるだけ我慢するよ。君が同意するまで。でも、どれだけ待たせるつもり?」
「……」
「お前!」
「……」
高橋真子は彼のその呼び方に完全に驚き、すぐに逃げようとした。
しかし藤原月は素早く彼女を抱き上げた。「今日の午前中はどこにも行かせない。家で映画を見よう」
高橋真子は前世で彼に借りがあったに違いない、今世はその借りを返しに来たのだと感じた。
大森千夏が時々LINEを送ってくると、彼女が返信する。藤原月は下を向いて見る。彼女が藤原月を見ると、藤原月はテレビを見る。