第108章 彼女は藤原月を殴った

「私はあなたのものになれたはず。藤原月、あなただけのものに。でも、その時私を拒んだのに、今さら何を言うの?このバカ!」

どれくらい時間が経ったのか分からないうちに、彼はキスをしながらまた暴走しそうになった。高橋真子は彼が服を脱ごうと体を起こした隙に、枕を取って彼に向かって何度も投げつけた。

藤原月は突然ベッドに伏せ、頭を抱えて動かなくなった。

高橋真子は彼の様子を見て、思わず枕を彼に投げつけ、すぐに逃げ出した。

藤原月はようやく頭を上げ、彼女の綺麗な足が床を踏んで、素早く寝室から出て行くのを見た。

彼女は不満なのか?

藤原月はベッドに横たわり、ぼんやりと一点を見つめた。

長すぎた。彼女がかつてどれほど甘えん坊なお姫様だったか、忘れかけていた。

外からはまだ物音が聞こえてきて、彼は思わずため息をついた。