第140章 玄関先まで来たのだから、もちろん受け取らなければ

「藤原月、今夜が過ぎたら、もう二度と会わないでいいですか?」

高橋真子は自分のシャツを床に投げ捨てた。

黒いキャミソールは彼女の柔らかな肩のラインを隠しきれず、さらに狂おしいほどの肌も隠せなかった。

藤原月は彼女をじっと見つめ、彼女の綺麗な小さな手がシルクのキャミソールの両端を掴むのを見ていた。

しかし、こんなに魅惑的な場面なのに、ヒロインは冷たかった。

彼女の目には一片の情欲もなかった。

彼女の目には目の前の男さえ映っていなかった。

彼女はただ数少ない服を一枚一枚脱いでいくだけだった。

彼女の顔は赤く、耳も赤く、全身の肌は白い中に薄紅色が透けていた。

しかしこれらすべてを合わせても、一つの字になった。氷。

彼女の長い髪が肩から滑り落ち、美しい肩と鎖骨を隠したが、彼の欲望は隠せなかった。