第143章 誕生日パーティーで、彼は紹介する、私の妻、高橋真子

「ええ、私も体がもたないので、お母様の言う通りにします。真子、あなたの義兄とここにいてあげて、申し訳ないわね」

小林詩織は不満げだった。彼女が正装して来たのは藤原月の側にいるためだったが、大和田好美の反応は予想通りだった。

高橋真子は「義兄」という言葉に刺されたが、ただ静かに小林詩織を見つめるだけだった。

「行きましょう!」

須藤陽太は詩織の肩を抱き、大森千夏と共に彼女を会場に案内した。

先ほど大和田好美の側にいた奥様が我慢できずに尋ねた。「お姉様、私には分かりませんが、この二人の美しい女性のうち、どちらがお嫁さんなのですか?」

後ろの数人も興味深そうに見つめ、答えを待っていた。

大和田好美は笑いながら、やや強い口調で言った。「もちろん、私の息子の側にいる方よ。皆さんはまずお入りください。後で本番が始まりますから」

普段から仲の良い姉妹たちの目的を知っている大和田好美は暗示した。

数人の奥様たちは一緒に中に入っていった。

藤原月が再び彼女を抱こうとした時、手が彼女の腰に触れた瞬間、彼女は反対側に身を寄せた。

藤原月は彼女の顔に拒絶の色が浮かんでいるのを見たが、何も言わなかった。

客人たちを迎え終えて、四人は最後に階段を上がった。

大和田好美は肩を下げながら言った。「久しぶりにこんな仕事をしたわ。次はあなたたちの結婚式ね」

藤原直人は片手で彼女の肩をマッサージしながら優しく言った。「来年のおじいちゃんおばあちゃんのお誕生日には、あなたたち二人が玄関に立てばいい。私たち夫婦はもう引退してもいい頃だ」

「それはいい話ね。私のふくらはぎがパンパンよ」

大和田好美は夫に不満を漏らした。

高橋真子は彼らの夫婦仲の良さを羨ましく思っていたが、この時は気取って反論したい気持ちがあった。

しかし今日は楽しい日だった。クリスマスで、おじいちゃんの誕生日でもある。皆の気分を害したくなかった。

ただ、彼らが中に入ると、すでにある夫婦が藤原月と彼らの娘の関係を大々的に宣伝していた。

小林夫人は言った。「まあ、月は私たちの詩織のことを本当に大事にしているのよ。妊娠しているから早めに休ませてあげたの。下にいたあの子は、彼らの幼なじみの妹さんでしょう。皆さんご存知でしょうけど、あの事故があった高橋家の娘よ。そう、あの自殺した人の」