第7章

「ドタッ」という音と共に、江口大輔はその場に膝をついた。

彼は泣きそうな顔で言った。「若山田社長、これは江口桜子というあまみそのせいです。お願いです、木村社長に私を再雇用してもらえるよう頼んでください。仕事に関しては本当に一切のミスはありませんでした。必ず全力で働きますから、この一度だけチャンスをください!」

「いや、大輔君、私が助けたくないわけじゃない。ただ、私と江口桜子は今は何の関係もないし、これ以上関係を持ちたくもない。もし私の推測が正しければ、江口桜子は私との交際期間中から藤原一郎と怪しい関係があった。そんな女性と関わりたいと思うかい?」

私はにこやかに言った。

江口大輔は学校にも通っていなかったため、文字すら満足に読めず、そのせいで最も基本的な警備員の仕事さえ見つけられなかった。大都市に来てからずっと江口桜子に寄生して生きていた。以前、私は江口桜子の面子を立てて、友人の会社の警備員として紹介してやった。意外にもこいつは仕事をそつなくこなし、警備主任にまで昇進した。