第4章

森川麗子は最終的に面接に合格できず、泣きながら帰ったそうだ。

私は彼女を侮辱することで気が晴れると思ったのに、心がずっと重かった。

私も悪い女になりたくない。

この数日間、河村隆一の誘惑に心が揺れることも嫌だった。

ぼんやりしていると、名も知らないバラの花束が私のところに届けられた。

同僚たちがからかって散っていった後、私は後ろから隠しておいたカードを取り出した。

「今夜一緒に食事しよう。駐車場で待ってる。」

最後にハートマークが描かれていて、今の河村隆一らしいことだった。

日付を見て、今日が河村隆一の誕生日だと思い出した。前世の今日も、私は彼と一緒に夕食を食べた。ただし、その時は私から誘ったのだ。

あの日、私は森川麗子の言葉を信じ、丹精込めて作った料理の一品一品に彼のアレルギー物質を入れてしまい、数口食べただけで救急車で病院に運ばれた。