義母の言葉で妻は徐々に冷静さを取り戻したが、義父は怒り心頭で言った。「お前たち母娘は人間じゃないのか!藤田健太郎はこんなにいい婿で、お前や弟、私たち夫婦に実の息子以上に尽くしてくれた!なのにお前たちはこんなに恥知らずな真似を!特にお前だ!この馬鹿娘め!お前を殴り殺してやりたい!よくもこんな恥知らずなことができたものだ!」
「早く健太郎に謝って誤れ!もし許してくれなかったら...その時は死んでしまえ!もう私にはどうしようもない...ああ!健太郎よ!父さんが申し訳ない!こんな恥知らずな娘を産んでしまって!」
義父は怒りで目が回り、息も上がっていたが、義母は全く気にせず、むしろ義父に黙るよう言った。「何を謝るのよ!家の恥は外に出すものじゃないわ。娘のことを隠してあげるどころか、そんな大声を出して、わざと娘の将来を台無しにして、離婚させたいのね?」
妻は義母の元へ行き、支えながら言った。「やっぱりママが私のことを一番考えてくれる。山本隆司の言う通りよ。浮気くらいどうってことないわ。あの人が外で遊べるなら、私だって遊べるわ。なんで私だけ貞節を守らなきゃいけないの?それに、私と山本隆司こそが本当の愛なのよ。彼は私の運命の人なの。」
「山...山本隆司!?健太郎の親友の?あの遊び人で、博打や女遊びばかりしているチンピラか?どうしてそんな男と付き合っているんだ!」義父は聞けば聞くほど顔が赤くなっていった。
妻は山本隆司を庇って言った。「お父さん、どうして山本隆司のことをそんな風に言うの?お父さんは彼のことを分かってないだけよ。彼はすごく有能で、向上心があって、私にもすごく優しくて...」
「あ!あ...お前お前お前...」義父はもう聞いていられず、声が段々小さくなり、その場で痙攣を起こして倒れてしまった。
「お父さん!お父さん!どうしたの?」
私もこの光景を見て驚いた。義父は脳梗塞を起こしたのだ。もう見物している場合ではない、急いで家に向かった。母娘は良い人間ではないが、義父は良い人なのだから。
義母が救急車を呼ぶと言ったが、妻は「ママ、先にここを片付けて。健太郎に見られちゃまずいから」と言った。
「そうね、そうね」
母娘は義父の生死も構わず、まず妻と山本隆司の不倫現場の片付けを始めた。