妹に話す前に、私は荘田昇を追って夫の勤め先まで行った。
上まで見に行こうと思ったけど、荘田昇はすぐに下りてきた。
私は歯を食いしばって、運転手に急いで帰るよう指示した。
帰ったばかりのところに、荘田昇も到着した。
玄関にいる私を見て、彼は少し驚いた様子だった。
「お姉さん、どうして散歩に出てきたの?」
私は気まずそうにお腹を撫でた。
「胎教って、そういうものでしょう?よく動かないといけないって」
荘田昇は首を振り、私を家の中まで支えて連れて行った。
「今は妊娠初期だから、そんなことしちゃダメ。月数が進んでからにして」
「退屈だったら言ってよ。僕が遊びに連れて行くから」
荘田昇の本性を知らなかったら、きっと本当にいい人だと思っていただろう。
私は突然思い立って、口を開いた。
「荘田くん、いつ妹と子供を作るつもり?もしかしたら、うちの子と一緒に育つかもしれないわよ」
荘田昇は一瞬止まり、申し訳なさそうに私を見た。
「お姉さん、そういうのは縁次第ですよ」
私は荘田昇に自分の部屋まで送ってもらい、彼が去った後で妹に電話をかけた。
妹は卒業して2年も経っておらず、外資系企業で働いていた。
「お姉ちゃん、どうして電話してきたの?何かあったの?」
妹の声を聞いて、私は涙が出そうになった。
私が話す前に、妹はまた心配し始めた。
「泣いてるの?もう、教えてくれないなら荘田昇に電話して、面倒見てもらうわよ」
私は歯を食いしばって、妹に荘田昇に電話しないよう懇願した。
「Twitterで鈴木望と荘田昇のアカウントを見つけたの。二人は...二人は恋人同士よ」
「二人が結婚したのは、子供を作るためだけ!」