妹は私の話を聞いて一瞬呆然としていて、電話の向こうは沈黙が続いていた。
「これって、義兄さんがそんなはずないでしょう?」
私は何かを鋭く察知した。
「つまり、あなたは荘田昇の異常に気付いていたってこと?」
妹は反論もせず、否定もしなかった。
「うん、私が荘田昇と結婚してこれだけの年月、一度もあの行為をしたことがなかったの。」
「最初は何か言い出せない事情があるのかと思ってたけど、後で彼が見てた動画がそういう類いのものだったのを見て。」
「大体分かったわ。元々、お姉ちゃんと義兄さんが上手くいってるし、私がお姉ちゃんの側にいるのも悪くないと思ってた。」
「でも、まさか二人が一緒に結婚詐欺をしていたなんて!」
私は嗚咽を漏らした。
「ごめんなさい、ごめんなさい、全て私が悪かったの。」