五時間後、野村香織たち三人は空港を出た。二つのショルダーバッグ以外の荷物は全て森啓次郎に任せた。
「レストランを予約したから、二人を招待するわ」と野村香織は深く息を吸って言った。
「わぁ、香織ちゃん最高!外国の食べ物は全然口に合わなかったの。どこのレストラン予約したの?」食事の話を聞いた小村明音は子供のように喜んで騒いだ。
野村香織は彼女を横目で見て注意した。「大女優さん、勘違いしないでね。私たち二人が食べるの。あなたは見てるだけよ。そのお腹見てみなさい。今月末にバラエティー番組の出演があるでしょう?イメージ大丈夫?」
小村明音は萎えてしまった。美人社長の言葉で、食事の考えは完全に消え去った。仕方がない、芸能人はスタイル管理が必要なのだ。
森啓次郎は大量の荷物を引きながら彼女たちの後ろについて行き、小村明音が元気いっぱいに跳ね回る様子を見て、頭上に黒い線が浮かんだ。クールな女神?どこがだ?