第24章 因縁の相手が押し掛けてくる

渡辺大輔は怒りを含んだ目で青木翔を睨みつけ、その表情は氷のように冷たかった。青木翔は首をすくめ、何事もなかったかのように装った。

「大輔、もし後悔しているなら、今からでも野村香織と復縁できるよ。誠意を持って謝れば、きっと彼女も承諾するはずだ」と青木翔は目を光らせながら言った。

渡辺大輔の数少ない親友として、彼は大輔の今の眼差しが何を意味するのか、あるいは大輔が香織に対する見方を変えたことを察知していた。

「くだらない！」渡辺大輔は冷たく言い放ち、その場を立ち去った。

誰も相手にしてくれないことに気まずさを感じた関口美子は、最後に渡辺奈美子と一緒に着替えに行った。

……

深夜11時、渡辺大輔はまた眠れずにいた。一人でリビングに座り、スマートフォンの動画を見ていた。動画の中では、野村香織が関口美子の耳元で「内緒話」をしていた。

香織の許可を得ずに、このことを知った小村明音は彼女のために話題を買い、ネット中が新鮮なゴシップに沸いていた。香織がこれほど長く動きを見せなかったため、大勢のネットユーザーは彼女のことをほとんど忘れかけていた。話題を買うのは比較的穏当な対応で、明音は本来なら関口美子を厳しく懲らしめようとしたが、香織に止められた。

渡辺大輔は動画の中の香織を凝視し、彼女の一つ一つの表情、一つ一つの動作を細かく観察し、時々巻き戻して見直していた。

違和感。動画の中の香織は、依然として彼に違和感を感じさせた。渡辺大輔は今、まるで民政局で離婚手続きをした日が一つの境界線のように感じていた。その日以降、香織は完全に変わってしまい、彼に一銭も要求せず、さらに彼との関係を明確に区切り、まるで一度も彼を愛したことがなかったかのようだった。

渡辺大輔が最も繰り返し見たのは、香織が堂々と認めた部分だった。その瞬間、香織から放たれる雰囲気は非常に魅力的で、女性特有の威厳に満ちていた。彼は香織が魂を入れ替えたのではないかと疑うほどだった。これが二見碧子に3年間叱責され続け、顔を上げることすらできなかった女性なのだろうか？

11時、12時……午前2時、渡辺大輔は見れば見るほど目が冴え、いらだちが募った。自分は病気になったのではないか、精神病になったのではないかと疑った。真夜中に眠らずに、元妻の動画を一晩中見続けているなんて。

……