第53章 サマーを待ち伏せ

ブルーライトメディア。

今日の青木翔の機嫌は上々だった。社長椅子に寄りかかり、両足を机の隅に乗せ、コーヒーを手に持ちながら、顔には薄い笑みを浮かべていた。昨夜、渡辺大輔が困っている様子を目の当たりにしたことは、数日間も楽しめる話題となっていた。

そのとき、秘書がノックして入ってきて、おずおずと言った。「青木社長、斎藤秘書から返事がありまして、サマーさんが面会を拒否されました!」

青木翔:「……」

再びサマーに拒否され、さっきまでの良い気分が一気に台無しになった。今朝起きたとき、昨夜の渡辺大輔の分析を思い出し、すぐに秘書に光文堂の背後にいるという人物との面会を依頼させた。後で光文堂の人から聞いたところによると、社長の本名は誰も知らず、ただサマーと自称しているということだった。