第77章 マジで気持ちいい

「香織、あなたは本当に妖狐ね!」関口美子は怒って足を踏み鳴らし、中村大和も野村香織に魅了されたのだろうと悟った。

……

花浜ヴィラ。

レストランを出た後、野村香織は鼻歌を歌いながら車を運転し、気分は最高だった。こんなに人を罵ったのは久しぶりで、関口美子も言い返してくれると思ったのに、あっという間に怯えてしまった!

プライベートジムで、野村香織はスポーツウェア姿でダンベルを持ち上げ続け、動作は非常に正確で、呼吸もリズミカルだった。

離婚してから、筋トレにハマるようになった。以前はテレビで女性たちが筋トレをしているのを見ても理解できなかったが、今ではその楽しさが分かるようになった。

以前は賑やかな場所が好きで、よく外のジムで体を鍛えていたが、体型が良すぎて顔も綺麗なため、毎回ジムで「特別な注目」を浴びてしまい、男性たちに囲まれないようにするため、最終的にヴィラで一人で運動するしかなくなった。

運動、入浴、フェイスマスク、美容ケアと一連の流れを終え、野村香織が浴室から出てきた時には、すでに夜7時を過ぎていた。窓の外では秋風が落ち葉を巻き上げ、寂しげな光景が広がっていた。

野村香織はオレンジジュースを手に取り、携帯を確認すると、小村明音からの十数件の不在着信があり、ロック解除すると数十件の未読メッセージが表示された。

仕方なく、野村香織はメッセージを開いて読んでみると、昼間の関口美子とのいざこざの動画がネットに投稿され、動画での彼女の発言がはっきりと聞こえていたため、小村明音が必死に連絡を取ろうとしていたことが分かった。

ネット上でこの件についての議論は白熱し、ネットユーザーはそれぞれの意見を述べ、野村香織を支持する人もいれば、関口美子を信じる人もいて、中立的な立場を保つ人はごくわずかだった。

ネットユーザーの目には、関口美子は渡辺大輔の噂の恋人で、二人の親密な写真が多数暴露されており、野村香織は渡辺大輔の元妻という立場だった。そのため、人々の八卦心が掻き立てられ、野村香織は再び思いがけずトレンド入りしてしまった。

彼女を支持するネットユーザーのコメントを見て、野村香織は得意げに「ふん、あなたたちは目が利くわね!」と言った。