物置の扉が開き、関口美子が出てきた。野村香織を見て表情が一瞬曇った。野村香織は意味ありげな笑みを浮かべながら、手を差し出して言った。「そうそう、関口さんは写真の達人でしたね。盗撮の腕前はどうなのかしら?早く見せてもらいましょうか」
関口美子は一瞬表情を固めたが、すぐに取り繕って答えた。「野村さん、冗談でしょう。何の盗撮ですか。私はただ場所を間違えただけで、物置にいただけです」
野村香織の笑顔が徐々に消え、威圧的なオーラを放ち始めた。一瞬にして彼女は大きく見えた。関口美子は顔を引きつらせ、心の中で恐れを感じ始めた。
「関口さん、私たちは品のある人間です。ここで騒ぎを大きくすれば、あなたの立場が悪くなりますよ。賢明な方だと思いますが」野村香織は見下すように言った。