第152章 貧乏人扱いされて

野村香織は思わず笑ってしまった。天満奈津子のその言い方は、まるで彼女を貧乏人扱いしているようだった。その高慢で尊大な態度は、以前の渡辺奈美子とそっくりで、なるほど二人が親友になれるわけだ。所詮、似た者同士なのだから。

「何を笑ってるの？」天満奈津子は眉を上げ、詰問するような目つきで野村香織を見た。

「別に。天満さんがそこまで親切にしてくださるなら、遠慮なくいただきますね」野村香織は笑いながら答えた。

そう言って、彼女はメニューを手に取って開き始めた。ウェイトレスが注文用のタブレットを持って横に立ち、野村香織を恭しく見つめていた。野村香織が注文を言い出せば、すぐに対応できるように待機していた。

野村香織は数ページをさっと見て、顎に手を当てながら頷いた。「うーん、天満さんの仰る通り、私は初めてここに来ましたけど、どの料理も美味しそうですね。名前も素敵です。いくつか注文させていただいても、よろしいでしょうか？」