「尊敬の気持ちはいいけど、あなたの膝は自分で持っておきなさい。私は欲しくないわ」野村香織は嫌そうな顔で言った。
小村明音は声を潜めて言った。「香織ちゃん、百合はどう?私が最高のレズビアンパートナーになれるわよ」
「うるさい!」野村香織は笑いながら電話を切った。
暇だったので、スマートフォンを開いて先ほど撮影した動画をもう一度見た。見るたびに笑いが止まらなかった。天満奈津子は今頃かなり怒っているだろうな。
しばらくして、彼女はスマートフォンを脇に投げた。天満奈津子や渡辺奈美子なんて、たいしたことない。彼女の対抗相手になる資格すらないわ。
突然、彼女の目の端に青い色が映った。振り向いてみると、朝に受け取った青いバラだった。少し考えてから、彼女は立ち上がってそちらに向かった。
簡単に剪定して、高低差のある景色を作り出した。野村香織は腕を組んで、満足げに青いバラを眺めた。ソファーで少し居眠りをして、目を覚ましたときには、空はすでに暗くなり始めていた。キッチンを見回ったが、食べたいものが何もなかったので、服を着替えて外出した。
香りしゃぶしゃぶ、これは彼女がネットで見つけた新しい店だった。オープン記念の大サービスを利用して、特別に味わいに行くことにした。この季節には、しゃぶしゃぶは間違いなく誰もが大好きな料理で、食欲も満たせるし、体も温まる。
一回のしゃぶしゃぶで、野村香織は満腹になった。幸い知り合いに会わなかったので、気分も良かった。会計を済ませて車で家に向かった。
野村香織が意外に思ったのは、少し走ったところで外は雪が降り始めたことだった。真っ暗な夜空から大きな雪が静かに降り、路側のネオンと相まって、都会の夜景に特別な美しさを添えていた。
車の窓を下げて、雪を車内に入れた。雪は顔にも当たり、野村香織は深く息を吸い込んで、心が清々しくなり、顔に美しい笑みが浮かんだ。後半は意図的にスピードを落として、家に向かいながら雪景色を楽しんだ。家に着いてからシャワーを浴び、ホームシアターで最新の映画を見始めた。深夜10時ちょうどに、彼女は時間通りにベッドに入って眠りについた。
……
翌朝8時、ミミの目覚ましサービスで、野村香織は夢からゆっくりと目を覚ました。ミミは甘い声で言った。「ご主人様、今朝8時半に重要な会議があります」