「尊敬の気持ちはいいけど、あなたの膝は自分で持っておきなさい。私は欲しくないわ」野村香織は嫌そうな顔で言った。
小村明音は声を潜めて言った。「香織ちゃん、百合はどう?私が最高のレズビアンパートナーになれるわよ」
「うるさい!」野村香織は笑いながら電話を切った。
暇だったので、スマートフォンを開いて先ほど撮影した動画をもう一度見た。見るたびに笑いが止まらなかった。天満奈津子は今頃かなり怒っているだろうな。
しばらくして、彼女はスマートフォンを脇に投げた。天満奈津子や渡辺奈美子なんて、たいしたことない。彼女の対抗相手になる資格すらないわ。
突然、彼女の目の端に青い色が映った。振り向いてみると、朝に受け取った青いバラだった。少し考えてから、彼女は立ち上がってそちらに向かった。