第355章 同病相憐

空港の出口で、野村香織は遠くから小村明音の姿を見つけた。明音は自分を粽のように包んでいたが、香織は一目で彼女だと分かった。

明音は小走りで香織の胸に飛び込み、興奮して言った。「香織ちゃん、もう会いたくて死にそうだった。」

香織は彼女に押し倒されそうになりながら、なんとか抱きしめて笑いながら言った。「クランクアップおめでとう。このドラマが大ヒットしますように。」

そう言って、用意していたプレゼントを取り出した。「これは特別に用意したプレゼントよ。頑張って撮影した褒美。」

プレゼントをもらえると知った明音は、飛行機と肩を並べて飛びそうなほど喜んだ。「すごい!クランクアッププレゼントまであるなんて、やっぱり香織ちゃんが一番私のことを大切にしてくれる。キスさせて!」

香織は手で明音のピンクの唇を押さえた。「やめなさいよ、私はそういうのはしないわ。」