第367章 誕生日プレゼントの準備

夏川健志の声が聞こえてきた。「野村さん、お知らせしたいんですが、香川市行きの航空券を予約しました。三日後の午後四時の便ですが、時間的にはどうでしょうか?都合が悪ければ、秘書に変更させますが」

野村香織は言った。「時間は丁度いいわ。三日後に空港で会いましょう」

夏川健志は言った。「やっぱり別荘で会いましょう。その時は僕が迎えに行きますから。どうせ一緒に行くんだし」

野村香織は少し考えてから頷いた。「そうですね。その時はお手数をおかけします、夏川若旦那」

夏川健志は笑って言った。「そんな遠慮は要りませんよ。むしろ迎えに行けるのは僕の光栄です。その時は一緒に食事でもしましょう」

電話を切った後、野村香織は夏川拓海への誕生日プレゼントのことを思い出した。六十六歳の誕生日は人生で一度きりだし、夏川拓海の地位を考えると、普通のものではいけない。でも、この件は既に斎藤雪子に任せてあった。