第175章 説得

授業のない午後、私と麦田絵麻は南野の学校に行きました。

それは三流の芸術学校で、前世の私が通っていた場所です。

かつて木村美雨と南野陽太が大学入試の時に私に薬を盛り、実力を発揮できなくなり、校風も校則も悪く、美女だらけで、金持ちの二世や三世があふれるこのゴミのような学校に来ることになったのです。

今世では、すべてが南野陽太の番になりました。

悪事を重ねれば自滅する、南野お嬢様は高校3年間ずっと最高の教師を雇い、高額な補習を受けていたのに、結局はこの三流大学に入ることになりました。幼い頃から知能が高いと褒められていたお嬢様が、どうやって気持ちを調整しているのか知りたいものです。

あの高慢な大叔母は、当時自分の娘が私の母の娘より優秀だということを示すために、無理やり南野陽太より一歳年下の私を学校に押し込み、私たち二人の成績を比較して、彼女の娘がいかに優秀かを強調していました。

今や、すべてが結果を出しました。

この学校は芸術系で、裕福な子弟が集まっているため、受け取る寄付も多く、学校の設備は非常に良く、M大学にも劣らないほどで、ここの芸術施設はとても有名です。

だから、私と麦田絵麻のような他校の学生がここに頻繁に出入りするのもごく普通のことです。

また、ここには美女やイケメンが多いことも、他校生を引き寄せる重要な理由の一つです。

私と麦田絵麻は大きく一周見学して、疲れたのでカフェを見つけて座り、飲み物を二杯注文しました。

カフェの内装はとても凝っていました。

麦田絵麻は辺りを見回しながら、小声で言いました。「私、ブックカフェを開きたいの。その時はこの色調を参考にするわ。コーヒーも飲めて自習もできる、図書館よりずっといいじゃない。私たちの学校の図書館は席を確保するのが大変すぎるの、どこも難しい!私はこの問題を解決したいわ!」

私は眉を上げました。「あなた、卒業後何をするか分からないって言ってなかった?私についていくって言ってなかった?」

麦田絵麻は飲み物を飲みながら大きな目をパチパチさせました。「矛盾する?しないわよ?社長、あなたはとても良い人で、たくさんのお金をくれるから、すぐに最初の資金を貯められるわ。お店を開くのはお店を開くけど、ついていくのはあなたについていくわ。」