014 全員クズ

藤丸詩織の言葉が落ちると、下にいた人々は座っていられなくなった。

特に藤丸峰は、真っ先に声を荒げた。「詩織、何の権限があって俺たちを解雇するんだ？明彦さんも何も言ってないのに。それに筋から言えば、俺はお前の叔父なんだぞ！」

他の者たちは先ほどの詩織の机を叩く行為に怯えて、今は何も言えなかったが、藤丸峰の言葉が落ちると、頷きながら支持を示した。

藤丸詩織はこの集団を一瞥し、心の中で軽蔑的に笑った。これらの人々は全て藤丸明彦か伯母の竜崎美奈と血縁関係がある者たち。ちょうど一緒に片付けてやろう。

「叔父？明彦？」詩織は静かに繰り返し、そして目を上げて藤丸峰を直視して言った。「でも忘れないでください。今、会社の社長は誰なのかを！」

藤丸峰は、これほど大勢の前で面子を潰されるとは思わず、怒りのあまりドアを乱暴に閉めて事務所を出て行った。彼の後ろについていた人々も、峰が出て行くのを見て、慌てて後を追った。

藤丸詩織は一瞥した後、淡々と視線を戻し、「会社の備品を損壊した分は、藤丸峰の口座から差し引くように」と言った。

森村生真は「承知しました」と答えた。

残った人々は親戚関係のない者たちだったが、昨夜の調査によると、彼らには本物の才能があり、真面目に仕事をする人々だった。

会社の規則に違反することは一度もなく、それでも毎日藤丸峰に率先して虐げられていた。

今や彼女、藤丸詩織が会社の社長となった。これからはこのような状況を会社で二度と起こさせない！

藤丸詩織はパソコンを開き、皆に大画面を見るよう指示した。「では、PPTを見てください。これは私が定めた今後一ヶ月で行う宝飾プロジェクトです。予約販売額は5億円を目標とします」

「なんですって！5億円！」詩織の淡々とした言葉に、オフィス中が沸き立った。

彼らは信じられない思いだった。これは今まで経験したことのない挑戦だった。

「しかし、藤丸社長、当社のここ数年の最高プロジェクトでも1億円だけでした。突然5億円というのは、あまりにも大きな挑戦です。それに、会社はこれまで宝飾分野に触れたことがありません。少し冒険し過ぎではないでしょうか？」

皆がこのような懸念を口にするのも、もっともなことだった。詩織もこのプロジェクトを策定する際に、これらの問題を考えていた。

しかし、このような懸念に対して、詩織は皆を鼓舞した。「皆さんは志のある若者です。頭の中には星と海があります。自分を信じ、最大限の能力を発揮すれば、何でも可能なのです」

この言葉を言い終えると、詩織は少し間を置いて続けた。「最も実質的なことを言いましょう。予約販売額が高ければ高いほど、皆さんのボーナスも高くなります」

この言葉が落ちると、全員が沸き立った。これまでは、ボーナスがあるかどうかは別として、プロジェクトを完了しても、藤丸峰たちに横取りされていたのだから！

詩織が会議を終えて事務所のドアの前に来ると、藤丸明彦が既に中にいるのが見えた。彼は顔色が暗く、様子を見るとかなり待たされて、いらだち始めていた。

詩織は目を伏せてから上げ、ゆっくりと中に入って尋ねた。「伯父さん、どうしてここに？」

実際、藤丸明彦が口を開かなくても、詩織は既に察していた。間違いなく、先ほどの会議でのプロジェクトのことを知ったのだろう。

案の定、次の瞬間、藤丸明彦が言った。「詩織、今聞いたところによると、お前が宝飾プロジェクトを立ち上げて、予約販売額を3億円にするそうだな？これは暴挙ではないのか？」

藤丸明彦の言葉に対して、詩織は静かに訂正した。「3億円ではありません。5億円です」

「いくら億円であろうと、暴挙に変わりはない！我が社がそんな成果を上げられるわけがない？経験不足なのは明らかだ。このまま暴走を続ければ、会社の存続すら危うくなる。社長の座は早めに譲った方がいい。さもなければ、お前の両親の心血も近いうちに台無しにしてしまうぞ！」

藤丸明彦は億という数字にはさほど関心がなかった。それは単なる彼が見つけた口実に過ぎず、主な目的は会社を奪い取ることだった。

既に資金を海外に移転するよう手配していたのに、どういうわけか、昨日になって資金が誰かに遮断され、回転できないと報告を受けた！

役立たず、全員役立たずめ！

藤丸明彦は怒りで震え、一晩中眠れなかった。先ほど詩織の会議での発言を聞いて、考える間もなくすぐにやって来たのだ。

しかし、詩織は明彦の言葉を聞いて、冷笑を一つ漏らし、彼を見つめて言った。「もし私の記憶が間違っていなければ、両親が生きていた時、一つのプロジェクトの予約販売額は8億円が基準でした。ですから伯父さん、この数年間、あなたはどのように会社を経営してきたのですか？」