049 招待状

榊蒼真は隣の藤丸詩織を見つめ、そして相良宏の方を向いて、丁寧に言った。「相良監督にご評価いただき光栄ですが、申し訳ありません。今は絵画を見なければならないので、しばらく脚本の話をする時間がないかもしれません。」

榊蒼真の返事を聞いた相良宏は少し残念そうに言った。「この作品は今日の午後には最終キャスティングを決定しなければなりません。今回逃すと、一年後の次の作品まで協力の機会がなくなってしまいます。」

榊蒼真が国内で活動を始めると知ってから、多くの監督が彼に注目していた。相良宏は今、キャスティングの締切をこんなに早く設定してしまったことを非常に後悔していた。もう少し遅ければ、まだチャンスがあったかもしれない。

藤丸詩織は榊蒼真の断りを聞いて、少し考えると、それが自分のためだと分かった。