藤丸詩織は相良健司の提案を聞いて、一瞬慌てました。だって彼女自身が藤丸社長なのに、どうやって電話をかけるというのでしょう?
桜井蓮は藤丸詩織の慌てぶりを見逃さず、笑いながら言いました。「どうした?今更怖くなったのか?私たちには3年の付き合いがあるんだから、もしあなたが解雇されたら、桜井家の秘書として雇ってあげてもいいわよ」
藤丸詩織は桜井蓮をちらりと見て、冷たく答えました。「結構です。それに、私がいつ怖がったことがありましたか?」
藤丸詩織は携帯を取り出し、素早く電話をかけました。相手はすぐに出ました。
片桐沙耶香:「藤丸社長、何かご用でしょうか?」
藤丸詩織は片桐沙耶香に笑顔で言いました。「藤丸社長、桜井グループの桜井社長が今プロジェクトについて話し合いたいとおっしゃっているのですが、スケジュール表にはその予定が入っていないようですが、急な予定でしょうか?」