186 誰にも言わないで

若宮玲奈は藤丸詩織の質問に、完全に頭が真っ白になり、この時になってようやく自分がどんな結果に遭うのかを思い出した。

ただ、認めなければ、得られたお金で足の治療を受け、そのままスポンサー活動を続けられるはずだった。

若宮玲奈はそのことを考えると、次第に落ち着きを取り戻した。

藤丸詩織は若宮玲奈の様子を見て、彼女が何を考えているかを悟り、冷静に言った。「私はあなたを法廷に訴え、同時に藤丸家の権力を使ってあなたのすべてのリソースを遮断します。そうすれば、あなたはスポンサー活動を一切受けられなくなります。」

若宮玲奈は一瞬固まったが、すぐに開き直り、「大丈夫よ、藤丸さんと対立している会社は必ずあるはず。そういう会社が私を起用してくれるわ」と言った。

ちょうど歩いてきた周防司は、若宮玲奈のその言葉を聞いて、急いで言った。「我が周防は絶対にあなたを起用しません。さらに業界内で、誰かがあなたを起用すれば周防の敵とみなすと言い触らしますよ!」