185これらは飾りではない

長谷正樹は藤丸詩織の言葉を聞いた後、すぐに承諾し、電話を切った。

若宮玲奈は事実がこのようなものだとは思わなかった。藤丸詩織を殴りたいほど怒っていたが、この時になってようやく、自分の脚に感覚がなくなっていることを実感した。

若宮玲奈は藤丸詩織を憎しみの眼差しで見つめ、「よくも私の脚を折ったわね。私はモデルよ。あなたは私の将来のキャリアを台無しにした。絶対に許さないわ。最高の弁護士を雇って訴えてやる。必ずあなたを刑務所に送り込んでやるわ!」

藤丸詩織の表情は少しも変わらず、若宮玲奈の方へ歩み寄った。

榊蒼真はそれを見て、藤丸詩織の服の裾を掴み、声を上げた。「お姉さん、行かないで。彼女があなたを傷つけるかもしれない」

藤丸詩織は静かに言った。「大丈夫よ。私は傷つかないわ。私の実力を信じていないの?」