278 ぼんやりとした後ろ姿

長谷司：「嘘をついているようには見えないね。そうであれば、写真を売ってあげよう。でも覚えておいてほしいんだけど、絶対に私の憧れの名医の写真を外部に流出させないでください」

相良健司は心の中の興奮を抑えながら、固く約束した：「ご安心ください。名医の神秘性は理解しています。絶対に写真を外部に流出させることはありません」

長谷司は頷き、次の瞬間スマートフォンのQRコードを開いて、相良健司に示した。

相良健司は写真を見られる期待に胸を膨らませ、すぐにスマートフォンを取り出して送金した。「先生、今送っていただけますか？」

長谷司：「はい」

次の瞬間、相良健司は写真を受け取った。ロード中の画像を見つめながら、彼の指は興奮で震えていた。

この前から、彼は名医の情報を探し続けていたが、何も得られなかった。今回偶然に病院に来たことで、こんなに重要な情報を手に入れることができた。

写真の名医がマスクをしていても構わない。今は技術が発達しているから、目だけでも多くの情報が得られるはずだ！

長谷司は笑いながら言った：「写真を見たら、きっと名医のオーラに魅了されますよ」

相良健司はもう我慢できず、長谷司に尋ねた：「先生、先にあなたのスマートフォンで一目見せていただけませんか？」

長谷司は首を振った。「今見てしまうと、後で自分のスマートフォンで受け取ったときの期待感がなくなってしまいますよ」

相良健司は早く見ても遅く見ても何が違うのか分からなかったが、長谷司がそう言うなら我慢するしかなかった。

ついに、画像のロードが完了した。

相良健司は期待に満ちた目で見つめたが、すぐに顔の笑みが凍りついた。

長谷司は興奮して尋ねた：「どうですか？名医は美しくて、輝いていて、オーラがありますよね！」

写真の女性は手術着を着て、無菌帽を被り、全身をしっかりと覆っていた。しかも後ろ姿だけが写っており、それも不鮮明な後ろ姿だった。

相良健司は指で何度も画像を拡大したが、最大に拡大しても白い首筋が少し見えるだけで、他は何も見えなかった！

相良健司は長谷司を掴んで、大声で尋ねた：「こんなにぼやけた写真で何が見えるんですか？」

相良健司は長谷司の言葉を待たずに続けた：「何も見えない、何も見えないんです。この写真は撮っても撮らなくても同じじゃないですか！」