279 私はこういう性格なの

子供が好き？藤丸志穂は首を振って、その可能性を否定した。

子供は世界で最も嫌な生き物だ。特に藤丸美音のような小学生で、分別がなく泣いてばかりの子供は最も煩わしい！

藤丸詩織が藤丸美音を養子にしたいと思うのは、きっと彼女に対する何らかの策略を考えているのだろう。

藤丸志穂は思った。藤丸詩織は3年前より賢くなり、3年前より対処が難しくなっている。

しかし藤丸詩織のこの一手は結局間違っていた。なぜなら、彼女は愛していない男との間に生まれた子供など全く気にかけていないので、たとえ藤丸詩織が藤丸美音を殺したとしても、まばたきひとつしないだろう。

ただし、確かにこの機会に藤丸詩織に会いに行くべきだ。藤丸詩織に分からせてやる。彼女の前では永遠に取るに足らない虫のように、軽く潰せば死ぬだけだということを。

藤丸志穂は茶碗を手に取り一口すすり、満足げに笑みを浮かべた。

藤丸詩織が最近の滞在先のホテルを手配してもらった後、榊蒼真から電話がかかってきた。

榊蒼真：「姉さん、佐藤秋葉弁護士が訴状と親権申請書をメールで送ってくれました。時間があれば確認してください。」

藤丸詩織は意外そうに眉を上げた。「こんなに早く？」

榊蒼真は軽く笑い、頷いて答えた。「はい。」

榊蒼真：「それと、温水修のDVの証拠に関する添付ファイルもあります。これを裁判官に見せれば、私たちは間違いなく勝てます。」

藤丸詩織はメールボックスを開き、整然と並んだファイルを見ながら笑って言った。「弁護士を手配してくれてありがとう。」

榊蒼真は静かに口を開いた。「姉さんのためなら、いつでも光栄です。面倒なんて思いません。」

榊蒼真は藤丸詩織がまた遠慮するのを恐れ、急いで言った。「姉さん、仕事に戻ります。仕事が終わったら、すぐに帰国して会えます。」

藤丸詩織は応じた。「うん、早く帰ってくるのを待ってるわ。」

藤丸詩織は電話を切った後、注意深く藤丸美音に目を向け、手を伸ばして彼女の額の乱れた髪をかき分け、指を軽く当てた。

しばらくして手を引っ込め、リラックスした声で言った。「あと数回針を打てば、完全に回復するわ。」

相良健司に教えられた場所に到着した桜井蓮は、藤丸詩織がベッドの上の子供を優しい眼差しで見つめている光景を目にした。