藤丸詩織は心の中で可笑しく思った。藤丸美音が自分を恥ずかしがらせるとは思わなかった。
藤丸詩織:「じゃあ、いとこは行くわ」
藤丸美音は素直に頷いた。
榊蒼真が戻ってきた時、ちょうど藤丸詩織がスーツケースを引いて出ようとしているところを見かけ、急いで尋ねた:「お姉さん、どこに行くの?」
藤丸詩織:「綾部市よ」
榊蒼真は藤丸詩織の言葉を聞いて、すぐに口を開いた:「お姉さん、一人で行くのは危ないよ。僕も一緒に行かせて!」
藤丸美音も続けて言った:「そうよ、いとこお姉ちゃん。蒼真お兄ちゃんと一緒に行ったら?」
藤丸美音はまだ幼いが、榊蒼真が時々藤丸詩織を見つめる眼差しを見て、すぐに彼の心中を察した。
それに、飛行機で会ったおじさんより、蒼真お兄ちゃんの方が好きだった。
藤丸詩織:「いいわ、私は今まで多くの場所に行ったことが……」