341 投票の不正行為

香月蛍は冷たい声で司会者の言葉を遮った。「ちょっと待って!」

全員の視線が一斉に香月蛍に向けられた。

香月蛍はテーブルを叩いて立ち上がり、冷たい声で詰問した。「私は若宮佳奈より数千万票も多いのに、なぜ彼女が一位なの?藤丸さんのような大企業でこんなミスが起こるなんて信じられないわ。でも、私のために特別賞を設けてくれるなら、今回は大目に見てあげてもいいわよ!」

司会者は真剣な表情で答えた。「申し訳ありませんが、主催者側には特別賞を設ける予定はございません。」

藤丸詩織がステージに上がり、香月蛍を真っ直ぐに見つめながら淡々と言った。「以前も申し上げた通り、藤丸さんは公平公正を重んじており、不正投票は認めません。」

香月蛍は藤丸詩織が何かを知っているような気がして、怯えて視線を逸らした。落ち着きを取り戻すと、慌てて言い返した。「私は不正なんてしていません!それに、あなたも藤丸さんのシステムは堅牢だと言っていたじゃないですか。私にそんなことができるはずがありません!」