353 結城雛は恥ずかしがる

桜井雨音は興奮して声を上げた。「行きます!」

彼女は続けて尋ねた。「友達も一緒に連れて行ってもいいですか?」

桜井蓮は目を閉じて深く息を吸い、歯を食いしばって答えた。「いいよ」

桜井雨音は急いでこのニュースを女友達たちに伝え、ファッションショーに誘った。

森村芙蓉は桜井雨音の手首を取り、羨ましそうに言った。「お兄さんが本当に優しいわね。羨ましいわ」

「そうよね、お兄さんが本当に優しいわね。私もこんなお兄さんが欲しいわ」

「私たちは夢見るしかないわね。だってこんな幸せは、雨音ちゃんにしか相応しくないもの」

……

桜井雨音は周りの人々のお世辞に、誇らしげに顎を上げて言った。「当たり前よ!」

桜井蓮は遠くから、榊蒼真と一緒に立っている藤丸詩織を見て、顔色が段々と暗くなっていった。