368 薬を盛る計画

翌朝早く、藤丸詩織は会社に向かい、刺繍に関する事項を処理した。

先日のファッションショー以来、刺繍の名声が広がり、すでに多くのプロジェクトから連絡が来ていた。

藤丸詩織は一瞥した後、最終的に決断を下し、数枚の契約書を真壁誠に渡して、「これらは協力可能よ」と言った。

真壁誠は「はい、藤丸社長」と応じた。

ファッションショーでは若宮佳奈と羽鳥新菜の二人のデザインが特に目立ち、多くの人々の好評を得て、数多くのファッションブランドからアプローチがあった。

新人デザイナーにとってはこれが好機であり、もしこの機会を掴めば、既存の基盤の上に独特のスタイルをデザインし、今後業界で確固たる地位を築くことができる。

ただし、若宮佳奈と羽鳥新菜は優秀ではあるものの、まだ伸びしろがある。