414 水野月奈の復讐心

桜井蓮は水野月奈を見つめる目に失望の色を浮かべた。「私の前では雨音のことを心配しているふりをして、裏では、こんなにも悪辣な行為を!」

解放された牛島岳は咳き込みながら、落ち着きを取り戻すと急いで口を開いた。「水野月奈は邪悪な女です。彼女は私に桜井雨音を紹介し、後で彼女を強姦するように命じました。好きなようにしていいと言ったのは彼女です……」

水野月奈は怒りの声を上げた。「黙れ!」

桜井蓮の瞳は血のように赤く、低い声で言った。「黙るべきなのはお前だ!」

水野月奈は涙を流し続け、顔を上げて蒼白な顔で哀れっぽく桜井蓮を見つめた。「蓮お兄さん、私は……」

桜井蓮は冷笑した。「もう二度とお前の言葉は信じない」

言い終わると、相良健司に向かって命じた。「水野月奈を監禁しろ」

相良健司は応じた。「はい」

水野月奈は信じられない様子で目を見開いた。「蓮お兄さん、私はあなたの命を二度も救った恩人よ。それなのに私を監禁するの!」

桜井蓮は「お前が私の命を救っていなければ、とっくにこの世から消してやっていた!」

相良健司はようやく桜井蓮が水野月奈の本性を見抜いたことに安堵し、彼女を連れ去る速度を上げた。彼が気持ちを変えないうちにと急いだ。

水野月奈が去った後、桜井蓮は牛島岳の側へ歩み寄った。

牛島岳は恐怖で体を震わせ、震える声で叫んだ。「これは全て水野月奈に命じられてやったことです。もう殴らないでください、どうか許してください!」

桜井蓮は牛島岳を見つめ、冷たい声で尋ねた。「お前と水野月奈がホテルにいたのはどういうことだ?」

牛島岳は一瞬戸惑い、我に返ると急いで事情を説明し始めた。最後に付け加えた。「あの時は酔っていて、あの人が水野月奈だとは知りませんでした。もし知っていたら……」

桜井蓮は牛島岳の言葉をもう聞いていなかった。時間と場所が、自分が薬を飲まされた夜と一致することに気づき、頭が停止したかのように、その場で固まってしまった。

もしあの夜、水野月奈が牛島岳と一緒にいたのなら、自分と一緒にいた人物は誰だったのか?

桜井蓮の脳裏に藤丸詩織の顔が浮かび、心が喜びで満たされた。

彼は大股で倉庫を出て、猛スピードでホテルまで車を走らせ、到着すると興奮した様子で叫んだ。「監視カメラ、監視カメラの映像を見せてくれ!」

……