407 牛島岳を捕まえた

藤丸詩織は目を伏せながら言った。「相良さんが運転していなかったら、きっとレーシングカーと衝突して、命は危なかったでしょうね。」

藤丸詩織の瞳に暗い光が走り、携帯を取り出して電話をかけた。「今、レーシングカーにぶつかりそうになったの。榊山の監視カメラを確認して、特にそのレーシングカーの素性を調べて。それと、前に頼んだ件も急いで調査して。」

……

桜井家。

相良健司は桜井蓮のオフィスに駆け込み、興奮して報告した。「社長、牛島岳を捕まえました。それに水野さんの調査で、彼女が以前牛島と接触していたことが分かりました。」

桜井蓮は深い眼差しで冷たく言った。「牛島のところに連れて行け。」

相良健司は急いで応じた。「はい！」

桜井蓮は付け加えた。「牛島の居場所を水野に知らせて、彼女も来るように。後で聞きたいことがある。」

牛島岳は真っ暗な部屋を見つめ、恐怖で首を縮めていた。

彼は心の底から後悔していた。飛行機を降りたらすぐに捕まるとわかっていたら、ギャンブルのために戻ってくるなんてことはしなかっただろう。

部屋のドアが開き、光が差し込んできた。牛島は目を細めながら、相良健司を見て怒鳴った。「なぜ俺を捕まえる？誘拐は犯罪だぞ！早く放してくれないと、警察を呼んで逮捕させるぞ！」

相良健司は牛島を睨みつけ、警告した。「後で質問するときは、素直に答えろよ！」

桜井蓮が相良の後ろから入ってきて、冷たい視線を牛島に向けた。

牛島は全身を震わせながら、恐怖に叫んだ。「お前ら誰だ？俺に何をする気だ？」

桜井蓮は牛島を一目見て、監視カメラの中の人物だと確信した。彼は牛島を蹴り、桜井雨音の写真を目の前に突きつけ、冷たく言った。「この女を知っているか？」

牛島は写真を見て一瞬固まった後、心の動揺が収まり、笑みを浮かべて言った。「ああ、知ってるさ。あの女の味は...ぎゃあ！」

桜井蓮の拳が次々と牛島に打ち込まれた。

牛島は痛みで悲鳴を上げ、歯を食いしばって言った。「もし殴り続けるなら、あの女の動画と写真を公開するぞ。世界中の人間に見せてやる、あいつが俺に...」

桜井蓮の表情はさらに冷たくなり、目を赤くしながらスーツを脱ぎ捨て、テーブルの上のナイフを取って牛島の体を切りつけながら、冷たく言った。「動画を公開する命があればな！」