450 時間を無駄にしたことを後悔する

城之内祐希は冷笑いを浮かべ、「そんなに望んでいないのなら、なぜ病院に現れたの？」と言った。

藤丸詩織は城之内祐希を見つめ、真剣に答えた。「病院は公共の場所で、桜井蓮専用のものじゃないわ。あなたの言い方だと、病院にいる全ての人が桜井蓮に近づくためにいることになるわね」

城之内祐希は更に尋ねた。「じゃあ、ネット上の話題は？」

藤丸詩織はあくびをしながら反問した。「ネット上の件が私の仕業だと思う？」

城之内祐希：「誰にもわからないでしょう」

藤丸詩織はため息をつき、「もし私が投稿したのなら、なぜ否定する必要があるの？それに、彼との関係を暴露しても何の得もないわ」

城之内祐希は一瞬固まり、突然藤丸詩織の言葉に納得した。

彼女はまだ確信が持てず尋ねた。「本当に桜井蓮のことを気にしていないの？」

藤丸詩織は頷き、表情は非常に断固として、誠実な目で城之内祐希を見つめ、「もちろんよ！」

城之内祐希は藤丸詩織が嘘をついているようには見えず、徐々に信じ始めた。「それならいいわ」

彼女は目を伏せ、桜井蓮が藤丸詩織を見つめる時の虚ろな表情を思い出し、突然面白くなってきた。自分に冷たい態度を取っていた桜井蓮が、こんな形で壁にぶつかるとは思わなかった。

藤丸詩織は笑みを浮かべる城之内祐希を見て、退屈そうにまたあくびをし、思わず尋ねた。「他に話すことはある？」

城之内祐希は我に返り首を振って、笑いながら言った。「私たち二つの家がますます発展することを願っています。藤丸さん、用事があるようなので、もう邪魔はしませんわ」

藤丸詩織は去っていく城之内祐希の後ろ姿を見つめ、心の中は失望でいっぱいだった。

桜井蓮のことだけを聞きに来たとわかっていれば、時間を無駄にして立ち止まることはなかった。

一方、桜井家では。

高遠蘭子は小遣いを半分も減らされたことを考え、心が痛むほど悔しく、歯を食いしばって決意を固め、「蓮、お母さん道中で考えたんだけど、藤丸詩織のことを勝手に疑うのは確かによくなかったわね」と切り出した。

桜井蓮は意外そうに高遠蘭子を見て、安堵して頷いた。「今わかってくれたならそれでいい」

高遠蘭子は歯を食いしばりながら、「じゃあ、減らされた小遣いは…」と切り出した。

桜井蓮はこの時機嫌が良く、「今回は減らさないでおこう」