「立件どころか、私が警察署に行って一時間も経たないうちに、直接逮捕しに来たんだぞ、分かるか!」電話の向こうの人はさらに激怒した。演技が警察署まで及ぶとわかっていれば、この仕事は絶対に引き受けなかっただろう。
「待って、私が解決するから」白川蓮は煩わしげに言った。
相手は全く聞く耳を持たず、頑なに譲らなかった。「今すぐ金を振り込むか、このまま警察署で待つか。30分待つ。さもなければ、私たちのLINEのやり取りを警察に見せて、あなたを探してもらう。ただし、前金は返さない」と直截的に言った。
相手は罵声を浴びせながら電話を切り、白川蓮に話を続ける機会を与えなかった。
むしろ白川蓮の方が不安になり始めた。
この件が影山瑛志に知られたら、きっと良い目に遭わないだろう。
彼女が迷っている間、10分も経たないうちに、相手から突然メッセージが届いた。