208 精神病になるよ

質問の言葉が終わるや否や、二人のボディーガードがドアを開けて入ってきた。

部屋の中の白川蓮を一目見るなり、考えることもなく前に進み出て、彼女を引き起こし、追い出そうとした!

先ほど早乙女燐から電話があったが、意外にも影山瑛志の声だった。

影山瑛志の携帯電話がどこかに落ちていたことが分かった。

蘇我紬の病室の状況を確認した後、影山瑛志はすぐに中にいる人物を連れ出すよう指示し、ついでに自分が来るまで見張っているように言った。二人が入室すると、その人物が蘇我紬に何かを注射しているところだった。

蘇我紬は目の前の光景に慌てた表情を浮かべ、白川蓮を連れ出そうとする様子を見て、即座に叫んだ。「連れて行かないで!ここに置いて、彼女に聞いて、さっき私に何を注射したのか」

ボディーガードたちは困ったように顔を見合わせ、蘇我紬を見ながら説明した。「申し訳ありません、蘇我さん。影山若様がまもなく到着します。この女性は影山若様が来るまで私たちが監視しておきます。お聞きになりたいことは何でも」

蘇我紬は警戒するように彼女を一瞥し、冷たく白川蓮を見つめた。「もし彼女が話さなければ、私は彼女に手を出すよう命じてもいいの?」

影山若様は彼らの上司で、蘇我さんは彼らの女主人だ。

女主人の命令なら、もちろん従うべきだ!

ボディーガードたちは一斉に承諾した。

蘇我紬は頷き、無関心そうに言った。「まず医者を呼んで私の体を診てもらって。その間、彼女の顔を叩き続けて。私が止めるまで絶対に止めないで」

ボディーガードたちは聞くと、躊躇することなく、すぐに白川蓮の顔を平手打ちし始めた。

白川蓮は抵抗しようとし、心の中では激怒していたが、少しでも動きを変えようとすると、すぐに平手打ちを食らい、一発また一発と、逃げる機会など全く与えられなかった。

白川蓮は話そうとしても機会がなかった。

医者はすぐに来て、先ほどの話を聞いた後、蘇我紬の体に一連の検査を行ったが、現時点では体に何の問題も見られず、どこか具合が悪いかと尋ねても、蘇我紬は否定した。

影山瑛志が到着し、現状を把握すると、表情は一気に暗くなった。

医者と話を終えた後、蘇我紬を一瞥し、寒気を帯びた視線が少しずつ白川蓮の上に落ちていく様は骨まで凍らせるようで、人の心を痛めた。