晴香は続けて言った。「私はもうすぐ手術があるので時間が急いでいます。蘇我さんの状況はご覧の通りで、いつ自傷行為に及ぶかわかりません。できれば、今すぐ検査と治療を受けさせるのが最善の結果だと思います」
二人のボディーガードは互いに顔を見合わせ、晴香に頷いて、彼女たちを中に入れた。
白川蓮のことは知らなかったので、蘇我紬の家族だと思い込んでいた。
とはいえ、ボディーガードは何度も影山瑛志に電話をかけ続けたが、一向に応答がなかった。
白川蓮が入室すると、蘇我紬がベッドで静かに横たわって眠っているのが見えた。晴香は入室するなり、すぐに声を落として、先ほどの状況を全て説明した。
そして注意を促した。「蘇我さんの状態はかなり深刻です。体の傷は順調に回復していますが、できるだけ早く治療を受けさせた方がいいでしょう」