298 電子機器を取り上げる

白川蓮は影山瑛志がこのような反応を示すとは思わなかった。電子機器を取り上げると言われたら、外部との連絡はどうすればいいのだろう？

いけない。

このまま手をこまねいているわけにはいかない。

早乙女燐が来る前に、すべてを手配しなければならない。

白川蓮は急いでパソコンと携帯電話を開き、あの人たちにメッセージを送って、すぐに削除した。

早乙女燐が訪れたのは一時間後のことだった。彼は白川蓮が少なくとも泣いた後で、しぶしぶ全ての電子機器を引き渡すと思っていたが、予想に反して彼女は平然としており、少しも不機嫌な様子はなかった。

「瑛志も私の胎教のことを考えてのことですから、言う通りにします」白川蓮は早乙女燐の疑問を察し、微笑みながら説明した。

早乙女燐は不思議に思ったが、それ以上何も言わず、電子機器を持って立ち去った。

白川蓮は早乙女燐が去った後、表情が一瞬にして崩れ、目つきが険しくなった。

……

早乙女燐は白川蓮の電子機器を影山瑛志のデスクに置き、一つの書類も添えた。「影山若様、白川さんの妊婦健診の病院が見つかりました。こちらが彼女の健診記録です」

影山瑛志は椅子を回転させ、その報告書を直接手に取り、ざっと目を通した後、デスクに投げつけ、氷のような表情で言った。「一ヶ月以上だと嘘をついていたのに、この記録では明らかにたった二週間じゃないか！しかも、私が酔っ払ったのは二ヶ月前の一度きりで、その間は彼女に一度も触れていない！」

早乙女燐は黙って鼻を擦った。

この話は、自分に言うべきではなく、蘇我さんに言うべきではないだろうか？

「しかし影山若様、今の白川さんはあなたの子供だと断固として主張していますが……」

「あの男は見つかったか？」影山瑛志は眉をひそめた。直感的に、この子供はあの男と関係があると感じていた。

「情報が入りました。あの男は高橋南で、前回白川さんを誘拐した時、マスクをして白川さんを懲らしめた男です。おそらく……白川さんに色目を使ったのでしょう」

後の言葉は、早乙女燐が言う必要はなかった。

監視カメラには、高橋南が何度も白川蓮の住居に出入りする様子が映っており、毎回長時間滞在していた。

男女二人きりで一室にいて、高橋南も善人とは言えない。何が起こったかは、想像に難くない。