手のひらから伝わる温もりを感じ、蘇我紬の心も温かくなった。
「私、あなたを信じています」
私、あなたを信じています。
この言葉を、蘇我紬は影山瑛志に向かって言った。
白川蓮に離婚を迫られて以来、蘇我紬はあまりにも失うことを恐れ、影山瑛志が何度も気持ちを伝えても、いつもはっきりとした返事を避けていた。
しかし、この出来事を経て、蘇我紬は悟った。
影山瑛志は既に彼女の側に立っている。もう一人ではない。二人の間で最も大切なのは信頼だ。彼女が影山瑛志を信じれば、きっと影山瑛志も彼女を裏切ることはないだろう。
「前は白川蓮の言葉で、いつもあなたを誤解していました。今思えば、白川蓮はずっと私たちの仲を引き裂こうとしていたのに、私はバカみたいに彼女を信じていました。でも、これからは彼女に振り回されるのはもう終わり。自分で主導権を握ります」