329 病院へ

これで蘇我紬は何も言わなくなり、優しい表情で自分のお腹を撫でた。そこには小さな命が宿っていた。

しかし、蘇我紬は久世澪がこんなに早く来るとは思ってもみなかった。

電話を切ってから1時間も経たないうちに、久世澪は大小の荷物を持って家に入ってきた。

蘇我紬は驚いて、不思議そうに久世澪を見つめた。「お母さん、デパート全部持ってきたの?どうしてこんなにたくさん買ったの?」

「そうよ、あなたが少しでも傷つかないように、この家の角や端っこには全部柔らかいものを付けないといけないわ。それに食べ物も気を付けなきゃ。妊娠中の食事を専門に担当するおばさんたちを何人か雇ったわ。」

久世澪の後ろには確かに3、4人の中年女性が立っており、久世澪は一人一人を蘇我紬に紹介した。

蘇我紬は呆然とした。