358 白川蓮の崩壊

警察署が橘健一の話を影山瑛志に伝えた時、蘇我紬はちょうど側にいた。

「白川蓮があなたのために、完璧だったはずの計画に、最後になって隙を見せるなんて」と蘇我紬は感慨深げに言った。

「この世に痕跡のない事など存在しない。白川蓮も例外ではない」と影山瑛志は淡々と答えた。

蘇我紬は頷いた。

白川蓮も自業自得だ。

橘健一が全ての首謀者は白川蓮だと認めたものの、有罪判決にはまだ時間がかかり、橘健一は白川蓮のいる警察署に移送された。

その日、白川蓮と橘健一は同時に新たな取り調べを受け、二人は別々の取調室に収容された。

白川蓮が取調室に連れて来られ、自分が裏切られたことを知ると、怒りで両手を握りしめテーブルを叩いた。「私を裏切るなんて!なら私も徹底的にやってやる。誰も良い思いはさせない!」