377 江口家

「でも、あなたのことについては、瑛志がすでに私に話してくれました」蘇我紬は直接答えた。

彼女はまだ江口希美の目的も、人柄も分からないため、むやみに誘いに応じるわけにはいかなかった。

江口希美は口元を押さえて軽く笑い、「彼は誤解されないように、すぐに説明してくれたのね。でも、私があなたに話したいのは、私のことだけじゃなくて、影山グループのことなの」

蘇我紬はその言葉に一瞬戸惑い、彼女の意図が理解できなかったが、その言葉に不吉な予感が突然湧き上がってきた。

江口希美は微笑みながら首を傾げ、外に行くように促した。

二人は会社から一番近いカフェに来て、座るとすぐにウェイターがメニューを持ってきた。

江口希美はカプチーノを注文し、蘇我紬はお湯だけを頼んだ。

すぐにコーヒーが運ばれてきて、蘇我紬のお湯も彼女の手元に置かれた。